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issue date : 4-DEC-2006
今回からは「印刷産業と環境問題」のいくつかの各論についての情報をお届けします。最初は「環境問題と紙」についてです。
■再生紙と森林認証紙
- 紙の原料となる木材・森林は,多様な生物の保全,地球温暖化の原因ともなるCO2の吸収源として重要な役割を果たしています。しかし,違法な伐採や不適切な管理による森林破壊で,ここ10年間毎年平均1,200万ヘクタール,約3年で日本の国土とほぼ同一の森林が失われており,森林の保全が地球環境問題の重要なテーマの一つとなっています。
日本のパルプ・チップの70%は輸入に頼っており,森林保全のためにも,古紙や森林認証紙(合法かつ持続可能な木材・パルプから作られた紙),非木材紙などの活用が重要になっています。
- 紙・板紙の原料となるパルプは,古紙パルプが60%,バージンパルプが40%使用されています。古紙の利用はごみの減量とともに,森林保全にとっても重要であり,印刷用紙としては古紙パルプ100%のR100再生紙や古紙パルプを70%含んだR70再生紙などがあります。
ただ古紙の利用率としては,板紙が92%,新聞用紙が84%なの対して,印刷情報紙は23%と低い状況にあります。再生紙については今後ともその利用を促進していく必要がありますが,リサイクルを繰り返すことで品質が低下し,商業印刷物や書籍用用紙としては不向きな面もあり,バージンパルプと比較してその製造過程におけるCO2の排出や薬品の使用がより多いとの指摘もされています。
- このようなこともあり,2006年4月に国の「グリーン購入法」で古紙パルプだけでなく,製紙原料として合法的に生産された木材からのバージンパルプも加えられ,「可能な限り森林認証木材を使用するように」と改定されました。今後の環境配慮型の用紙としては,森林認証紙が普及していくものと思われます。
森林認証制度とは,国際機関である森林管理協議会(通称「FSC」)による「適正な(合法かつ持続可能な)森林管理」を目的としたものです。森林そのもを管理する「FM認証」と,その木材の加工・流通過程を管理する「COC認証」とがあり,このような認証制度のなかで作られた紙を森林認証紙といい,ここ数年の間に三菱製紙や王子製紙などが製造するようになっています。
また,製紙メーカー・用紙店・印刷会社などがFSC認証を取得していれば,お客様の製品カタログや会社案内,環境報告書,図書目録などにも「森林認証マーク」を付けることができます(出版社が紙を購入し,印刷会社に支給する場合などは,出版社も認証取得が必要となります)。このようなこともあり「FSC認証」を受ける用紙店や印刷会社も増えてきています。
■紙の古紙リサイクル阻害要因
- 古紙を再生紙として利用するには,古紙原料への異物の混入や素材そのものがリサイクルの阻害要因とならないことが必要です。
日本印刷産業連合会(日印産連)では関連業界とともに,印刷物に使われる紙・インキ・加工材料などについて,A〜Dまでの「古紙リサイクル適正ランキングリスト」を制定しています。
- 印刷用紙のリサイクル特性については,アート紙・コート紙・上質紙・中質紙については,Aランクでリサイクルの阻害要因にならないとしていますが,色上質やレザック・NTラシャなどの特殊紙およびカーボン紙・ノーカーボン紙・感熱紙などについては,リサイクルの阻害要因となるランクBまたはCとしています。また,芳香紙などは微量でも除去することが不可能なDランクの用紙となっています。
今回のsanbi-i-comは,エコ印刷研究会の「エコ印刷ガイドブック 2006」などを参考に作成させていただきました。
次回は「環境問題とインキ」についての情報をお届けする予定です。
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