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[第77回] 印刷産業と環境問題 シリーズ 6

issue date : 31-JAN-2007

  今回は「印刷産業と環境問題」各論シリーズの3回目として,「環境問題と表面加工・製本」についてです。表面加工・製本では,光沢加工や接着剤などからの有害物質やVOC発生の抑制,特に古紙リサイクルの阻害要因にならないよう環境配慮することが重要となります。

■「印刷物から印刷物へのリサイクル」の促進を

  1. 日本における古紙の利用率は,ダンボールなどの板紙では99%とほぼ限界のところまできていますが,印刷用紙では23%と大変低い状況にあります(「古紙リサイクル促進センター2005年の統計」より)。

    森林保全のために古紙の利用率を高めていくには,印刷用紙への古紙の利用率を高めていくこと,「印刷物から印刷物へのリサイクル」を促進していくことが課題となっています。印刷用紙へのリサイクルのためには,異物がなくリサイクルに適した質の高い古紙が必要となります。

  2. このため日本印刷産業連合会(日印産蓮)は,印刷物に使用される資材の古紙リサイクル適正をA〜Dランクまでにまとめた「適正ランクリスト」を作成,紙・板紙へのリサイクル可能なAランクの資材をできるだけ使用することを推奨・促進しています。

    日印産連の「古紙リサイクル適正ランクリスト」については,下記をご参照ください。 http://www.jfpi.or.jp/environment/recycle/file/d-4.pdf

■表面加工では「PP貼り」などがリサイクル阻害要因となります

  1. 表面の光沢加工は,紙の強度や耐摩擦性・耐水性を持たせるために,また印刷では表現できない光沢を出すためなどに使用されるもので,OPニス・光沢コート,プレスコート,ラミネート加工(PP貼り)などがあります。

    この内表面にフイルムを貼るラミネート加工は,紙へのリサイクルの阻害要因となり,Bランクとなっています。環境的にはAランクのOPニス・光沢コート,プレスコートなどの使用が推奨されています。

  2. また表紙に使用される箔押も紙へのリサイクル阻害要因となるBランクであり,オフセット用の金・銀インキでの印刷に切り換えることが推奨されます。

■製本では特に接着剤が問題となります

  1. 古紙,特に「印刷物から印刷物へのリサイクル」を考えた場合,無線・アジロ製本などの糊付に使用される接着剤が問題となります。
    従来広く利用されていた接着剤(EVA系ホットメルト)は,古紙リサイクル工程で細裂化しやすく,除塵装置を通り再生紙に斑点が表れてしまうため,紙へのリサイクル阻害要因となっていました。

    このため古紙リサイクル特性を改良した「難細裂化EVA系ホットメルト」が開発され,最近では製本用接着剤全体の55%を占めるようになっています。また「PUR(ポリウレタンリアクティブ)系ホットメルト」も古紙リサイクル特性・製本特性ともに優れ,今後の普及が期待されています。

  2. 針金を使わず,折と糊付を同時に行なう「針金なし中綴じ(通称,「エコ綴じ」)製本も環境配慮型仕様として注目されています。中綴じなどに使用されるホッチキスはリサイクル阻害要因にならないAランクとなっていますがケガの要因ともなりますので,パンフレットなどには「エコ綴じ製本」が徐々に使用されるようになっています。

    表面加工・製本は印刷物に欠かせないものですが,環境問題特に古紙リサイクル上は上記のような問題も抱えています。印刷物の製作にあたっては,その目的・効果と環境負荷とのバランスを十分検討して企画・設計あたることが大事になっています。

今回のsanbi-i-comもエコ印刷研究会の「エコ印刷ガイドブック2006」を全面的に参考にさせていただきました。「印刷物から印刷物へのリサイクル」の促進などについてのより詳しい情報につきましては,エコ印刷研究会の下記サイトをご参照ください。
http://eco-ken.com/mark.htm


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