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issue date : 14-AUG-2007
最近印刷の情報誌でも「ユニバーサルデザイン」という言葉が目に付くようになってきました。全日本印刷工業組合連合会でも今年8月に 第1回「メディアユニバーサルデザインコンペティション」を開催,9月の国際印刷機材展「IGAS」でその作品を展示することになっています。
今回は「ユニバーサルデザインと印刷」について情報を2回シリーズでお届けします。
- ユニバーサルデザインで何?
- Universal Design(UD)を直訳すると,「すべての人にとって,できる限り利用可能であるように,製品,建物,環境に配慮した計画・設計」となりま
す。一般にユニバーサルデザインは,「障害者・高齢者向けのデザイン」と見られていますが,障害の有無に関わらず,また年齢や国籍に関わらず「すべて
の人に使いやすいものを設計する」という考えが基本です。
もう一つはバリアフリーとの違いです。バリアフリーは既存の障害(バリア)を取り除いていくという考え方なのに対して,ユニバーサルデザインは作る前
から利用者のことを考えて最適な設計を行うという考え方です。
- ユニバーサルデザインに基づいた製品化,ビジネス化という点で,日本は世界の中でも先進国です。
その代表的なものが松下電器の「ななめドラム洗濯機」で,この製品は一部の障害者だけでなく,さまざまな人に使いやすいと評価されています。車椅子でも乗れるようにしたトヨタの「ラウム」などもUD製品として注目を集めています。シャンプーとリンスの区別がつきにくいので,シャンプーのパッケージのみ横にギザギザの切り込みが入っているのも,UD製品です。
- ユニバーサルデザインの歴史と社会的背景
- ユニバーサルデザインの発端は,1950年代の北欧におけるノーマライゼイション運動といわれています。その後アメリカにおいて,バリアフリーの運動が盛んになり,1990年代にアメリカの建築家で車椅子生活者でもあるロナルド・メイス氏が「ユニバーサルデザインの7原則」(→用語解説)を発表,一気に世界に広がりました。
日本においても,1994年に「ハートビル法」(不特定多数の人が利用する建築物は,誰でも快適に利用できるようにする法律),2000年には「交通バリアフリー法」(駅などにエレベータやエスカレータの設置を義務付けた法律)が制定されました。また,2004年には「ウェブ・アクセシビリティ指針」において,Webの見やすさや使いやすさなどもJISにて制定され,2005年には国土交通省が「ユニバーサルデザイン政策大綱」を策定,ほとんどの自治体でもガイドラインが作成され,その施策が進められています。
- この社会的背景には,身体障害者が350万人いるという福祉的な視点だけでなく,日本における高齢化,国際化の進展ということもあります。
「ユニバーサルデザイン」という考え方は,これからの日本にとって「皆んなが快適に楽しく生活するために欠かせない概念」となってきています。
次回は,ユニバーサルデザインという視点から見た場合,印刷にとってはどのようなことが大切になるのか,また実際にどのような取組みが行われているのかについてまとめてみます。
今回のsanbi-i-comは,日本印刷技術協会の「プリンターズサークル」連載記事「ユニバーサルデザインと印刷」などを参考にまとめさせていただきました。
<用語解説>
ロナウド・メイス提唱の「ユニバーサルデザイン7原則」
(1)だれでも公平に使える
(2)いろいろな使い方ができる
(3)使い方が簡単でわかりやすい
(4)必要な情報がすぐわかる
(5)まちがって使ってもあぶなくない
(6)ムリなく少ない力でラクに使える
(7)使いやすい広さや大きさがある
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