単行本作成のポイント
基本的に学術論文よりも柔軟に作成できます。
出版社様と本の体裁を決める段階で、ご自身でクラスファイルを作成してもよろしいですし、使用するフォントなども指定して頂いて構いません。
クラスファイル作成時の注意点と、ご自身で完成形を作成し納品する場合の注意点をあげましたので、以下ご参照ください。
クラスファイル作成時の注意点
ご自身でjbook.clsで原稿を作成し、出版社(印刷会社)で専用のクラスファイルを作成する場合は、基本的に「画像」の作成だけ注意していただければ問題ありません。しかし、jsbook.clsをもとに作成した場合は注意が必要です。
jsbook.clsでの単位の扱い
jsbook.clsは、内部でポイントに関する定義が、全て定義し直されています。
\documentclass[10pt]{jsbook}
となっていたところへ、「本文を12Q(9pt)に変更」などで、
\documentclass[9pt]{jsbook}
としてしまうと、再定義の内容が10ptをベースに拡大・縮小する、と定義されているため全体のサイズに影響が及びます。
事実、「単位系」で表されるすべての値に関して拡大・縮小がなされていますので、「図のサイズ」や「文中の余白」など、直接書かれているものも、すべて変更されてしまいます。
これを回避するには、単位に「true」をつけ、「○truemm」「○truecm」等、全ての単位系を書き換えなくてはなりません(trueを付けると拡大縮小を行いません)。
「完成形」としてPDFを作成し納品する場合の注意点
フォントを埋め込んだPDFにする
「完成形」として納品するPDFは、必ずフォントを埋め込んでください。
フォントが埋め込まれていないと、組版後の面付作業の際に、エラーが出てしまう場合があります。
ご不安な場合は、サンプルデータを作りテストを行うことで問題は起こりにくくなります。
またPDF/X-1aに準拠してあれば、必ずとは言えませんが、ほとんどの場合問題はないでしょう。
設定可能でしたら、画像の圧縮は「ダウンサンプルなし」としてください。
なおトンボを入れて作成する場合は、トンボがPDFの天地左右中央にくるように作成するとスムーズに進行します。
また本を作る上での、本扉、扉裏、索引、奥付などの要素はどこで作成するのか、あらかじめ出版社様とご相談ください。